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殺人鬼の存在証明 Казнь (фильм) (2021)

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殺人鬼の存在証明

引用:WOWOW
1991年、何者かに襲われ、負傷しながら必死で逃走する女性が、森の近くで保護される。彼女の証言から、その犯行の手口は10年以上にわたって凶行を続けてきた連続殺人犯のものと酷似していて、既に犯人は3年前に逮捕されていたものの、それが誤認逮捕であったことが明らかとなる。捜査責任者のイッサは、新たに浮上した容疑者のワリタを尋問し、彼が真犯人であることを自白させようと、厳しく問い詰めるのだったが……。

以下、ネタバレ注意。

 

アンドレイ・チカチーロ

映画に登場する殺人鬼のベースになっているのは、旧ソ連史上最悪の連続殺人犯アンドレイ・チカチーロ。
上記、日本語版Wikipediaに詳細が書かれているので、こちらでは記載しない。
恐ろしくて入力する気にならなかった。

アナトーリイ・スリフコ

チカチーロ以外にも、ロシアの別の殺人鬼に似た人物も描かれている。
チェスプレイヤーと呼ばれる殺人犯は、このスリフコがベースになっている。
上記のWikipediaでも紹介されているが、少年の交通事故死を目撃した話が、この映画でも使われていた。

 

主人公イッサのモデル

映画の主人公である捜査責任者のイッサ(Issa Davydov)のモデルは、殺人鬼チカチーロの事件の捜査を指揮したイッサ・コストエフ氏。
上:英語Wikipedia
下:ロシア語Wikipedia
ロシア語のWikipediaのほうが、詳細に書かれているのでおススメ。

 

ひとこと感想

WOWOWでのロシア映画を毎回楽しみにしていたが、今回は重すぎた!
だが、非常に練られた内容で、後半への回収具合が見事。

邦題は、今回もイマイチ。
原題の直訳は、「処刑」。
確かに原題は、多少ネタバレ感はあれど、英語のタイトルもThe Executionだった。

映画のロケ地や作品情報について調べたかったが、原題で検索すると、ゾッとする画像や動画などが履歴として表示され、調べるのをすぐに止めてしまった。

ロシア作品ゆえ、SNSなどでの検索も難しく、残念。
キャスト陣もあまりSNSを利用している人がおらず、instagramなど見つけても、映画に関する画像はどはほとんどなかった。

 

ヴェラ役のYulia Snigirさん

個人的には、ヴェラ役のYulia Snigirさんに目が釘付けだった。
ロシアのロックバンドZveriのミュージックビデオ”See You Soon”(原題До скорой встречи)で注目された女優さんです。

 

注:ネタバレあらすじ

第1章:ビッグマン Глава I: Важняк

1991年

休暇中の捜査官イッサ・ダヴィドフの元へ一本の電話が入る。
犯人が既に逮捕され死刑判決が出ている連続殺人事件の新たな被害者が発見されたと連絡が入る。被害女性は犯人と格闘し監禁場所から逃走、通りがかった車に助けを求め生還していた。署内は冤罪だったのではと大騒ぎになっていた。

 

被害者の証言

被害女性は、犯人に森の中で口に土を詰め込まれ、足に怪我を負いながらも、石をつかんで犯人を殴り、逃走したと説明。
イッサは、かつて彼女の妹の葬儀に参列していたことを思い出す。

 

犯人逮捕

その後、イッサは犯人逮捕の計画をたて、捜査官らに武器を持たず、生捕りをするよう命じる。
犯人は逮捕され、自宅からは血の付いたナイフが発見される。
イッサは、犯人の母親の写真の顔の部分が消されているのを目にする。

 

1981年

イッサは、上層部からの指示で殺人事件の捜査を指揮することに。
彼は捜査の欠陥を指摘し、3件の殺人事件が同一犯ではないかと説明。
その後、イッサは動画や写真の撮影を担当する鑑識のセバスチャノフと組み、様々なアイデアを出し捜査にあたるが、犯人は見つからない。
ついには、森林地帯で新たなバラバラ死体が発見される。

 

チェスプレイヤー

イッサは、セバスチャノフに火傷について聞かれ、チェスプレイヤーという殺人鬼を逮捕した時の話をする。
さらに、自分が捜査官を目指した理由である、母の事件について詳しく話す。
捜査に行き詰まったイッサは、服役中のチェスプレイヤーに会いに行き、アドバイスをもらいにいく。
チェスプレイヤーは、この事件の犯人はモンスターではなく平凡な人物だと指摘し、逮捕されないのはツイているだけだと説明する。

 

第2章:否認 Глава II: Отрицание

1991年、イッサは連続殺人事件の容疑者ワリタへの尋問を開始する。
家にあった顔が消された母の写真から、実母から虐待されていたのではと考え、母親の話からはじめる。
ワリタは、母親が精神的に不安定だったと説明し、母親から虐待された話をしはじめる。母親から虐待を受けていたために、今でも口の中に土の味がすると話し、母親が倒れた後は、報復し楽しんでいたと語る。
イッサは、ワリタのターゲットは、母に似て背が低く、神が短い、ずんぐりした体形の女性だと指摘する。
ワリタは否認するが、彼が小児性愛者だと指摘し、妻からの証言で肉体関係が無かったことを追求する。

 

第3章:怒り Глава III: Гнев

美女ヴェラ

1984年、従業員同士の大喧嘩があり、イッサとセバスチャノフがレストランに到着する。イッサは、そこで美術評論家を名乗るヴェラという謎の美女と出会う。
夜遅く帰宅したイッサは、突然キッチンで妻を襲い、拒絶される。
家を出たイッサはヴェラに会いに行き、彼女を車に乗せ、関係を持つ。

1991年

ワリタの家で発見されたナイフが、犠牲者の傷と一致するが、バラバラ殺人の被害者だけ一致しなかったことが判明する。
捜査チームは、ワリタの家での実況見分時に、ワリタが嫌がる紙の音を立て、精神的に追い詰めていく。ワリタは、自分が軍隊で女性扱いをされたと涙ながらに訴えるが、効き目がないとわかると、突然自分の頭をキッチンに置かれた割れた缶に叩きつけ、血まみれになる。
そこに、殺害事件の被害女性の母親が銃を持って乗り込み、ワリタを殺そうとするが、邪魔をされ、誤って捜査員の腹部を撃ってしまう。

 

第 4 章:交渉 Глава IV: Торг

心理療法

1986年、イッサは心理療法士グリゴリエワ(Grigorieva)を訪ねに行く。
ミロンという患者がグリゴリエワに成りすましているが、イッサは気付かない。
グレゴリエワ本人がミロンのかつらをはぎ取ると、ミロンは叫びながらベッドの下に隠れてしまった。
ミロンという患者は、自分の人格が無く、興味を持った人を簡単に真似することが出来、親戚でも成りすましに気づかないと説明。ミロンは、医師に成りすまし、手術まで成功させたと話す。

新たな組織を

イッサは、新しいタイプの連続殺人犯専門の新たな部門を創設させようとするが、国内にはそのような部署は無く、上から一蹴されてしまう。

捜査も行き詰まり、新部門創設の計画も崩れ、イッサは酩酊状態で暴れてしまう。
イッサを指示する部下は、セバスチャノフだけになったが、その彼の言葉も耳を貸さず、新たな森林地帯の殺人事件現場にも行かないままに。

 

チェスプレイヤー

1991年、ワリタの家に殺人鬼のチェスプレイヤーが連れてこられる。
彼は、3日後に処刑される予定だった。
彼はチェスプレイヤーと話すことを受け入れ、顔の手術を受け、現場に現れた。
チェスプレイヤーは体内に隠した針金を取り出し、チェス盤の部品を使い、密かに細工をしていた。
現場には、イッサの妻と子供たちもおり、チェスプレイヤーが彼の息子を抱きしめた後、ワリタに死刑にならないためのアドバイスをしろと言い、ワリタは生き残るためなら何でもすると説明する。
イッサの妻は、イッサに愛があるのか問い詰め、息子を連れてその場を立ち去る。
ワリタは、チェスプレイヤーから受け取った針金を捜査官に刺し、車で逃走しようとするが、何者かが森の奥から車のエンジンを撃ち、ワリタはすぐに確保される。

 

第5章:抑うつ Глава V: Депрессия

セバスチャノフの単独行動

1986年、セバスチャノフは事件が続いているため、犯人逮捕を誤ったのではないかと考えるが、イッサは自分の考えを固辞し続けていた。
そこで、セバスチャノフは、密かに売春婦を囮にした作戦を実行する。
売春婦が乗り込んだ車を追い、車が林道で泥にはまって立ち往生したところを、助けるふりをしながら車のトランクを確認すると、ロープやシャベル、ナイフなどを発見し、男を逮捕し、尋問する。
しかし、イッサはこの男を容疑者ではないと言い切り、そこからイッサとセバスチャノフは対立。セバスチャノフは捜査からはずれ、酒におぼれ、家は荒れ果てた状態になっていく。しかしその後、囮につかった女性が殺害され、イッサと共に現場に向かうが、再度、イッサと意見が対立。セバスチャノフは、自宅で髪を切り、ライフルを持参し、ワリタの家の監視を始める。

 

ワリタへの尋問

1991年、ワリタはイッサから尋問を受け、イッサから罪を自白すれば、死刑にならぬよう心神喪失で矯正治療させるが、拒否するのであれば死刑を求刑すると脅迫。
ワリタは殺人を自白し、書類にサインをする。
殺人鬼の元から生還した女性をワリタに面通しさせようと連れてくるが、殺された妹の写真も持参しており、ワリタが妹を殺したと激昂する。
女性はその場から連れていかれるが、ワリタは写真の女性は殺していないと訴える。
イッサがワリタを殴りつけると、ワリタは突然叫びながらベッドの下に潜り込んだ。
ワリタだと思っていたのは、以前会ったミロンだったのだ。

 

第6章:受容 Глава VI: Принятие

ワリタの自白ビデオ

1986年、セバスチャノフは、森の中から真犯人だと確信するワリタの家を監視していた。同じ頃、イッサらが逮捕した双子の裁判が行われていた。
セバスチャノフは、ワリタが外出した後、家に忍び込み、ワリタが犠牲者の体の一部を保管している様子を目撃する。
セバスチャノフはワリタを拷問し、彼の自白を録画し続ける。
(ワリタ本人の話す姿は、ミロンが演じていたワリタにそっくりだった。)
セバスチャノフは、ワリタの自白のテープに番号を付け、犠牲者の名前を書き、完璧に記録を残していく。
ある日、ワリタはセバスチャノフを攻撃し逃走するが、すぐにセバスチャノフに射殺されてしまう。

 

ミロン射殺

1991年、イッサはワリタに成りすましていたミロンを射殺。イッサは、彼に襲われたと説明し、射殺する前に殺人を自白していたと周囲に説明する。
その後、イッサは階下から、自分とミロンの会話が録音されていたことに気づき驚愕する。音の元へ向かうと、イッサがワリタではなくミロンだったと気づいていたのにも関わらず、彼を射殺した経緯が録音されていたことを知る。
驚くイッサの背後に女性が近づき、彼を殴り倒す。

 

第7章:処刑 Часть VII: Казнь (ラストネタバレ注意

ヴェラ殺害事件

1988年、ヴェラの妹キラは、病室で目覚めた。
カムラエフ捜査官は、キラに姉ヴェラのの遺体が森林で発見されたと言い、ヴェラの家で倒れていたキラを発見したと説明した。
キラは、キッチンで頭から血を流して死んでいたヴェラを見たと説明するが、強盗事件に巻き込まれたのだろうと話す。
キラはヴェラと同居していないが、ヴェラには数年間付き合っている恋人がいたと説明。すると捜査官から、ヴェラが妊娠していたことを告げられる。

 

ヴェラ殺害犯

キラが、姉の家の掃除をしていると、テーブルの下にネクタイピンが落ちているのを発見し、さらにヴェラの葬儀で、キラを襲った男によく似たイッサに気づく。
セバスチャノフは、葬儀の様子を遠くから見守り、その後、キラに会いに行く。
セバスチャノフは、キラから姉には真剣に付き合っている男性がおり、キッチンに落ちていたネクタイピンを見せる。さらに、自分を襲った男には手に火傷の痕があり、その男が姉の葬儀に参列していたと話す。
セバスチャノフは、イッサがヴェラを殺害した犯人だと気づき、かつてイッサから聞いた処刑方法についてキラに話す。

復讐計画

セバスチャノフは、キラに自分の本名を告げ、連続殺害事件を追っていた捜査官だったことを説明する。
真犯人ワリタは自分が殺害したと話し、キラの姉を殺した犯人は別におり、自分が知っている人物だと告げる。
2人は、イッサへの復讐を計画。
ヴェラの遺体を墓から掘り起こし、キラは成りすましの天才ミロンが入院する精神科病棟で働き始める。セバスチャノフは、ミロンを監禁するための部屋を準備。
キラは、ミロンを薬で眠らせ、汚れた洗濯もののカートに隠し、病院から連れ出し、ワリタの家の地下室に連れていく。
セバスチャノフは、自分が撮影したワリタの自白ビデオをミロンに繰り返し見せ、ミロンはワリタの癖や話し方、動き方を学習していく。

ワリタへの完璧な成りすまし

1991年、ミロンが目覚めると、監禁されていたはずの家のドアが開いていた。
ミロンは井戸にいたキラを攻撃し、彼女の首を絞めて、口に土を詰めようとした。
すぐにセバスチャノフがキラを助けるが、それはミロンが完全にワリタになり切っていることを意味していた。
セバスチャノフは、キラの足に故意に怪我を負わせ、キラは通りがかった車に助けを求める。
その姿をセバスチャノフが遠くから見守っていた。

1991年現在(ラストネタバレ注意)※白反転

地下室に拘束されたイッサが意識を取り戻すと、目の前にはセバスチャノフとキラが。
イッサは、ヴェラ殺害をカメラの前で自白するよう命令される。
イッサは、ヴェラは事故死だったと説明。
イッサの妻に2人の関係を話すと言われ、イッサが子供たちと離れられないと答え、ヴェラは激怒。
イッサがふざけてヴェラを抱きかかえようとし、ヴェラがイッサを突き飛ばし、その勢いでヴェラはテーブルの角に頭を打ち、血を流して倒れてしまった。
その後、ヴェラを森に運ぶが、彼女の意識が戻り、妊娠していることを聞かされたと話す。

イッサはキラを挑発し、キラが近づいた瞬間に隠し持っていたナイフでロープを切り、キラを人質に取る。
さらにセバスチャノフの腹部を何度も刺し、セバスチャノフが倒れている間、キラにガソリンを浴びせ、ライフルで彼女を殴り倒す。
セバスチャノフは最後の力を振り絞り、イッサを襲い、致命傷を負わせる。
一緒に逃げようと言うキラに、セバスチャノフは、ミロンに故意にキラを襲わせたと言い、1人で行けと叫ぶ。
キラは1人で、ワリタの家から出て、道で助けを待つ。
セバスチャノフは、かつてイッサが話していた処刑の方法を真似、お互いの首に鎖を巻き、錠をかけたのち鍵を投げ捨て、2人は床に倒れる。

~おわり~

 


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